ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

卒業式は格別でした。

トピック「卒業式」について

 

自分の卒業式は、不思議と覚えていないようです。小学校、中学校、高校、大学、一度もうるっとしたことがない…。それは、卒業しても、次の楽しみの方が強かったからだと思うのです。新しい世界への期待感で、わくわくするタイプでした。

 

その後、大学院(修了式)は、もうすっかり大人でしたし、むしろ論文の苦労しか思い出せません。

 

「卒業式」と言われたら、自分自身の卒業式ではなく、間違いなく、教師になって、初めて高3の担任をした、その時の卒業式、その日を思い出します。

 

式が始まる前、途中、式の後も、もう詳細には思い出せませんが、2つのことが、心に残っています。

 

HRで、担任として、最後の言葉を述べ、あれこれが一通り終わり、いよいよみんなが教室を去る時間が来て、終わり…。去りがたい気持ちでその後の記念写真大会…。

 

HRで、最後に、全員で撮った写真。普段、あまり笑わない大人な男子も、恥ずかしがり屋の女子も、第一希望の大学に受からなかったあの子も、いくつもの大学に受かって、どこにしようか、家族を巻き込んで、なぜか大モメになっているあの子も、まだ受験が残っているあの子も、突然外国の大学に進路を決め、親を驚かせたあの子も、全員が、偶然だと思うのですが、にこやかな表情で、清々しく微笑んでいる顔、顔、顔…。

 

卒業後、私に、「いい写真でしょう!」と言って、卒業生がその写真を持ってきてくれました。

 

卒業式当日も、もちろん、あれこれ感動させてもらったのですが、実感はこれを見た時…。本当に、このクラスの担任でよかったな、報われたなと思いました。

 

たった一日、この日があるから、辞められない…そうも思いました。なんだかんだと言っても、教師は、たった一日、この日ですべて(苦しかったことや悩んだこと)が昇華できるんだ…。

 

初めて生徒を送り出した卒業式では、思わぬ再会もありました。

 

高校の卒業式に、来賓がきます。その中には、卒業生の出身中学の関係者も見えます。来賓を見て、驚きました。来賓の、中学の校長として、私の中3の時の担任のA先生の姿…。えっ!ぎゃー、うそっ、うっ、うれしい…。先生、私、今、先生になってるんです。ご無沙汰してます。覚えていらっしゃいますか?いろいろご心配をお掛けいたしましたが、社会人になっております!

 

式の途中で、声をあげることはできませんので、心の中で、瞬間叫んでいました。

 

式後HR教室へ行くまでに、控室に挨拶に行きました。

 

すぐに、「◯◯、お前、かっこよかったやんか」と言ってくださいました。覚えていてくださったのですね、A先生。そうですよね、中3の時、ちょっと心配かけましたもん。

 

でも、あまりの変わり様だったのか、「お前、なんで、ここ(△△高校)にいるんや!?」とのお言葉。へっ!?、A先生、私、ここの教師ですけど…。さっき、呼名してましたのよ…。意識は、ご自身も、すっかり、中3の担任に戻られていたご様子。私の進学した高校と勤務先とが一致せず、混乱された模様…。

 

私は、A先生が、中学3年の担任として最後に送り出した卒業生です。大人になって、A先生と同じ教師となった自分の仕事ぶりを、中3の時の、担任の先生に見ていただける機会に巡り合うなんて、なんて幸せなんだろう。(しかも、初めての卒業生を送り出すこの日に)

 

教師という職業を選んで、よかったなと、つくづく思いました。

 

あれから月日が流れ、今は職を離れましたが、その間、自分を支えてくれた、大切な卒業式の思い出です。やっと、語れるようになりました。