ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

教員志望者へ「いじめのない職員室はない」と言わなくちゃいけないのか。

いじめのない学校はないーーーうちの学校には、うちのクラスには、いじめはないとは思わないで、いじめで心身の苦痛を感じている子どもがいるかもしれないと教師は常に子どもたちの様子を見守ることが使命だ。

 

ところが、そのような使命のある教員が、よりにもよって同僚にいじめを繰り返していたのだ。今回報道されたは、30代、40代4人の教員による20代の教員へのあまりにもハレンチな低俗極まりないいじめだった。夕方の各局のニュースで伝えられたことを合わせると、

 

・激辛カレーを無理やり食べさせる。

・カレーを体に塗りつける。

・カレーを目に塗りつける。

・アホ、ハゲ、カスなどの暴言

・被害者の車に飲み物をこぼす。

・被害者の車の上に乗る。

・被害者を羽交い絞めにする。

・コピー用紙の芯で被害者の尻をミミス腫れができるまで叩く。

・女性教員らに猥褻なメッセージを送信させる。

 

 

この加害者の塊は、他の20代教員にも暴言等を繰り返していた。「ポンコツ」の略で「ポンちゃん」、、、そして性的なメッセージを送りつける、、、

 

 

開いた口がふさがらない。

 

 

この加害者の塊の陰湿でハレンチないじめをなぜ止められないのか?

 

 

この加害者たちについて、保護者にインタビューをしていたTVを見た。保護者は加害者について、いい先生、熱心にいじめの問題に取り組んでいたと答えていた。テレビ局の教育委員会への取材によると、この加害者の一人は、この学校の教員のリーダー格とのことだった。

 

 

他者を傷つけた教師たちは、中堅の年齢だ。保護者対応も授業も学級経営も、20代の教員に比べれば経験で上回るのはいたって当然である。この学校に在職している年数も他と比べると(管理職よりも)長いかもしれない。となれば、小学校は特に区域が狭く、地域と密着しているので、地域を知ってる、慣れている先生として保護者は安心する。

 

 

子どもたちが学校にいる間は、一教員、一担任として活動しているA先生であり、B先生であり、C先生である。子どもたちは、加害者が塊となって、若手の教員をいじめていたなんて気づくことができるだろうか。

 

 

TVのコメンテーターは、子どもたちもそういう雰囲気に気付いていたのではと述べていた。

 

 

ひょっとしたら、学校行事や集会などで教員が一同に会した時に、おやっと思った子どももいるかもしれない。しかし、加害者の塊は、中堅の教員たちだ。しかもたちの悪い大人だ。保護者や子どもたちにはバレないように体裁を繕うことはうまい。表の顔は子どもたちのことを考える「いい先生」だ。

 

 

教員のいじめは、リーダー格の教員とそれにへこへこしている教員たちの塊で行われる。グループで一人を的にする。子どものいじめと同じ。見えないところで、いいや、グループの人数が全体の中で占める割合が大きい場合、年齢が上である場合、同僚の目はもはや気にしない。支配層としてやりたい放題。文句があるなら言ってみろぐらいに横柄な態度を取るかもしれない。

 

 

 

ベテランが大量退職した後、30代、40代の教員は、今の校長、教頭より、若い年齢で管理職にならざるを得ない。この事件の加害者たちもすでに主任になっている可能性がある。今回いじめが明らかにならなければ、市教委に行き、現場に戻り、管理職になっていたかも。そして、また市教委に行くというパターンでぐるぐる、、、

 

 

この教員による教員へのいじめは、暴力行為であり、人権侵害であり、器物損壊の犯罪だ。どのような処分にあるのか。謹慎、訓戒、減給? いやいや教育センターで再教育を受けて、すぐに現場復帰もある。たとえ依願退職(退職金をもらって)したとしても、教員免許がある限り、他府県や私立の小学校で教師を続ける可能性もある。

 

 

リーダー格の教員がグループで一人の若手教員をいじめる。さらに次々と若手教員をいじめる。管理職も教育委員会も止められなかった。改善できなかった。また子どもたちや社会の信頼を裏切った。この事件後、「実は私の学校でも教員による教員へのいじめがある」という事例がいくつも露呈するのではないか。子どもたちへのいじめアンケートのように、教員へのアンケート調査や聴き取りが行われるのではないか。しかし、子どもたちのいじめ問題が未だに学校や教育委員会との間で認識の大きなズレを持つように、教員による教員へのいじめの認知についてもあやふやに、、、。処分も???さらに被害者へのケアはどうなるのか。

 

 

小学校の教員採用試験は、今年も全国的に志願者が減る傾向にあり、倍率も低下している状況だ。ブラックな仕事と言われながらも、それでも教員になりたいと願う教員志望の学生は、教職に憧れや強い情熱を持っている。その教師の卵たちに「いじめのない職員室はない」と言いながら、先輩、同僚教員にその予防と対処法をアドバイスすることも大切かもしれない。心身をつぶされないために。子どもたちのために。

 

 

 

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週刊東洋経済 2017年9/16号 [雑誌]

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