ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

「女性にとって最も大切なことは、子どもを2人以上産むこと」という発言をした校長がただただ嫌だ。

大阪市の中学校校長の発言にはちっとも慈しみや温かさがない。

 

教育委員会からの呼び出しに向かう途中「私は火消しをしている」??? と人を威圧するような表情で語る校長。さらに、ブログが炎上したのは、教育委員会が私の講話を勝手に公表したからだと言っていた。何のやりとりなのだ。全校集会での発言の違和感はそこじゃない。

 

高圧的な言葉と態度は、今日の、あるTVの取材でも見受けられた。簡単にその状況を説明すると、記者に向かって、派遣社員か正社員かを乱暴な言葉で問いただし、上場企業の(一流の会社といったかもしれません)に勤めているのだから(それまでに)勉強してきたはずだ、もっと勉強しろというようなことを吐き捨ててその場を去って行った。

 

記者の取材の様子は決してぶしつけではなかった。それに対して、感情的に、しかも侮辱的な言葉の投げつけからは、教育者というのは仮の姿なのかと思わずにはいられなかった。画面を通して、一視聴者である私でさえもなんとも言えない嫌な感じを持ってしまった。

 

3月12日のニュースから抜粋すると、

「子を産めない人は寄付を」 「2人以上」発言の校長 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

2月末の全校集会で「女性にとって最も大切なことは、子どもを2人以上産むこと。仕事でキャリアを積むこと以上に価値がある」などと発言した。「人口が減るなかで、日本がなくならないためには女性が子どもを産むしかない。間違った発言とは思わない」と述べた。

 

この発言を改めて文字で読むと気分が悪くなる。「子どもを産む、産まない」を当事者以外が軽はずみにいうことのデリカシーのなさ。全校集会には教員もいたはず。「女性は仕事のキャリアよりもまず先に子どもを2人以上産め。」と言っているように私は受け止めてしまう。校長の言葉を、特に、女性教員の方はどのように思ったのだろう。

 

まだ子どもを産んでいらっしゃらない女性教員や子どもがお一人の女性教員もこの中学校で教員としてのキャリアを積んでいるはずだ。朝から晩まで、土曜日も日曜日も部活動等で休む暇もなく、学校に埋没する毎日毎日。生徒が優先でプライベートはないに等しい中、仕事に打ち込む女性教員に対して、この校長は発言する際に、少しは思いをはせただろうか。私にはマタハラ、パワハラにしか思えない。社会に出る前の女子中学生たちに、まずは出産・子育てという校長には教育者や管理職としての資質は感じない。校長の職というポジションを何か勘違いしているのではないか。

 

「生徒や保護者から直接おかしいという声は届いていない。私の発言で傷ついた生徒がいたなら真意をきちんと説明する」と述べた。

 

頑なさ。上から目線。王様の耳はロバの耳・・・そんな校長には生徒や保護者の声は耳には入ってこない。直接言っても無駄だから。聞く耳など持たないだろうから。自分から聞こうとする姿勢を持つ校長にはいろいろな話が舞い込んでくる。これまでの全校集会での校長の講話シリーズについて、生徒たちや教職員の率直な感想を彼は聞いたことがあるのだろうか。

 

出産や子育てへの価値観が多様化し、キャリアを求めたり望んでも子どもを産めなかったりする女性がいることは認め「出産を強いているわけではない。子育てが楽しいということを伝えたかった」と話した。


詭弁だ。初めから「子育てが楽しいということ」を話せばいい。校長になるまでに、超多忙な教員生活を送ってきただろうと想像する。その中で、例えば、個人として、配偶者として、親として、教員という職業を持ちながら、どのように「子育て」をしてきたか語ればいいのだ。

 

「男女が協力して子どもを育てるのが社会への恩返し。子どもが産めず、育てられない人はその分施設などに寄付すればいい」と主張した。  

 

どこまで単純な思考なのだ。「こうすればいい」式の単線の思考回路から生まれる無責任な発言は、とどまることはない。

 

また全校集会で「子育てのあと、大学で学び専門職に就けばいい」とも発言していた。

 

子育ては女性だけがするのではない。先ほどの「男女が協力して子どもを育てる」という言葉と矛盾している。学び直しで大学に入るその時のために、中学校でしっかり勉強しておくことが大切だと言いたかったようだが、中学で学ぶことの意味が大学に入るため、「専門職」に就くためと積極的に言っているようにも捉えられる。言葉の意図がストレートに入ってこない。

 

体育館などで、一段高いところから生徒と教員を見下ろして話したのか、みんなと同じフロアで話したのか、はたまた放送で話したのかはわからないが、伝えたいことがあるならば、もっともっと言葉を選び取ってよ。もっともっと心に訴えかけてよ。

 

なぜ、このような人が校長なんだろう・・・悲しい。

 

 

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