ドラマ【silent】最終回 想の言葉と和歌
ほったらかしのブログに久しぶりの投稿で、書き方も忘れてしまっております。
話題になっていたドラマ【silent】のあらすじを急いで追っかけ、最終回だけ、実際にテレビで観ました。
最終回を観ただけでも、それぞれの登場人物の言葉に、優しさだけではなく、戸惑いや不安までも、素直に受け止めていくことができる素敵なドラマでした。
視聴者に響くいくつもの言葉がある中で、一番響いたのが、想が紬に向かって言ったこの言葉です。
青羽の声思い出せないし、もう聞けない。でも青羽の言葉が見えるようになってよかった
「手話は言語である」もうずっと昔になる高校生の時の手話講座での言葉がよみがえりました。
高校の教室での二人のやり取りも高校時代を思い出させてくれました。日直当番は名簿順が多く、青羽と佐倉はア行とサ行でペアだったのですね。(ア行とカ行の生徒さん、クラスにいると思いますが……)黒板消しのシーン、古文の「百人一首」の授業で、板書は和歌が二首でした。
1つめは、
77番 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ 崇徳院
授業で行う文法の説明が赤で書いてありました。「瀬をはやみ」が文法ポイントです。名詞∔(を)∔形容詞語幹∔接尾語「み」=名詞が形容詞のでと訳すのです。「瀬の流れがはやいので」という意味になります。「滝川」は急流、激流です。
この歌のメッセージは、「瀬の流れがはやいので、岩にせき止められる川の流れがいったん分かれても再び合流するように、今あなたと別れても将来はきっと会おうと思う」青羽と佐倉二人の未来を指し示す和歌でした。
2つめは、
9番 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに
絶世の美女といわれる小野小町が容貌の衰えを吐露した歌です。時の流れを、恋の物思いにふけっていた間といったところに説得されてしまう歌です。この歌は、ドラマの伏線になっているのでしょうか?あまり考えなくてもいいのかも。
ドラマの板書を見て、このところ、すっかり忘れていた「百人一首」を思い出し、ネットフリックス一辺倒を離れて、ちょっとカルタ取りでもやってお正月気分に浸ろうかと思った次第です。