ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

「青山ブランド」って何?!

港区子ども家庭総合支援センター(児童相談所含む複合施設)建設を巡って、区との話し合いに参加された一部の住民の方のご意見がメディアで流れました。「青山ブランド」って何でしょうか。私は聞いたことがなかったので耳に残りました。

 

港区青山の住民ではない私が「青山」と聞いて連想するのは、表参道一帯は一等地である、名門と呼ばれる公立小学校がある、世界の有名ブランド店が多くある、おしゃれなお店がたくさんある、青山学院大学がある・・・。思い出としては、残念ながら平成26年に閉鎖したホテルフロラシオン青山。駅近くでありながら、閑静な場所にあり、やさしい雰囲気のホテルでお気に入りでした。公立学校共済組合のお宿だったので、何度も利用していました。

 

報道から特に気になったことをざっくりまとめると、児相ができることでその「青山ブランド」が崩れることを懸念しているとのこと。(児相ができることで「青山ブランド」は値打ちが下がる)

 

青山は億を出して土地を購入して住むところである。お金持ちの子どもさんたちばかりでお稽古ごとや塾などにも通わせており教育熱心だ。そのような子どもたちの通う公立小学校は教育水準が高い。だからかえって児相にいる子どもたちはかわいそうだ。(そもそも児相にいる子どもたちがそのエリアの小学校に通うのかどうかは疑問ですがそれは別として)

 

「青山ブランド」ってこういうことですかね。

 

青山は所得が高い家庭の子どもたちが多い→教育にお金をかけることができる→教育水準が高い→そういう子どもの通う公立小学校は学力も高い→そういう公立小学校は名門校→青山は子どもの教育にふさわしい環境の整ったところ→虐待や貧困を抱えるような問題はない→児相は虐待や貧困を抱えた子どもたちが集まるところ→教育環境が悪くなる→青山の環境にふさわしくない→青山ブランドが崩れる。

 

教育には環境が大切だという昔からの教え「孟母三遷」という言葉があります。自分の子どもにできるだけ良い環境で教育を受けさせてやりたいという親の願いは否定するわけではありません。しかし、教育に良い環境をどのように捉えているのかが伺える発言に、人を育むイメージは持つことができませんでした。

 

いじめ、貧困、虐待は日本の子どもたちの抱える大きな問題です。今学校は、残念ですが、いじめのない学校はないという認識からいじめをなくそうと取り組んでいます。(港区青山の各小学校でも「いじめ防止基本方針」を掲げています。)同じ視点から、もしかしたら自分の子どもが通っている学校に虐待や貧困で苦しんでいる子どもがいるかもしれないと考えることはできないでしょうか。大人側の問題は、想像力の欠如、想像力の貧困です。

 

この報道を何度も見るたびに、湊かなえさんの『夜行観覧車』をふと思い出しました。

 

 

夜行観覧車 (双葉文庫)

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