ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

「劣化」という言葉:社会学者のズレてる発言と指原莉乃さんのズレない発言

新年早々言葉に関するちょっと気になっている話題です。

番組を見ていたわけではありませんので、この記事からの情報でしかないのですが、NHKの番組や古館さんの番組や小倉さんの番組で、コメンテーターなどの経験がある古市憲寿さんの今回の言葉におやおやと思ってしまいました。

 

古市さんが出演していたいくつかの番組を視聴したり、著書を読んだりする中で、私個人の見方ですが、力の抜き加減が独特だなと感じておりまして、それが持ち味なのだろうとプラスのイメージで同意する場合と、何かを語る時、時々どこか当事者意識に欠けている発言だなとマイナスのイメージで違和感を持つ場合とありました。しかし、若手の社会学者としての露出に、期待感を込めて観ている場合がほとんどでした。

 

「他人事」とあえて割り切って捉えると、冷静に、客観的に物事を見ることができる場合があります。そうすることで、何が問題なのかを的確に把握することができます。

 

自分のことと捉えると、感情やしがらみや利益が渦巻き、本質から目をそらしてしまうこともあり得ます。

 

自分ではうまく言い当てられない時、誰かが、それはこういうことなんだと思うとわかりやすい言葉で代弁してくれることがあります。特に、何らかの権威(ご自分ではそんなつもりはないかもしれません)や背景を持つ方がメディアを通して言ってくれると、「そうなんだ。それが言いたかったんだ」と大きく世間の一部が肯く場合があります。さすが、言葉で発信している方々だと感心します。

 

記事を読むと、物議を醸している「劣化」という言葉は、何の意図もなく発言したかのような印象を受けます。重さや深さ、慎重さがないだけにかえって普段の思考のベースが一瞬にして透けて見えた感じがして、これまでに古市さんの本を読んでこちらが勝手に作っていた像にひびが入りました。

 

そう言えば、これまでの著書の題名も、「わかりやすい」言葉で今風でキャッチーだった。それがよかったのだけれども・・・。

 

この「劣化」発言には、さらに本田由紀さんの言葉も足されて、ますます「どうしちゃったの!?社会学者の方々は・・・」となんだか深い意図があるのかないのか、収拾するのか拡散させるのか、ちょっとだけ気になりました。さらに、本田由紀さんと同大学の教授も「劣化は人に使う言葉ではない」とご自身の考えを表明し、その言葉に対しての反応はあるのかないのか、それもちょっとだけ気になりました。

 

以前から「社会学」は不思議な分野でした。

 

社会学」とは 

社会学

あらゆる社会的な営みのなかに法則性を探る自由度の高い学問

社会のなかでの個人の行為、集団の持つ特性、他者とのコミュニケーションなどに一定の法則性を見出して、社会の仕組みや働きを解明する学問である。研究対象は広く、社会学的な視点で研究できるものであれば何でも対象とすることができる。たとえば、家族社会学、芸術社会学法社会学、都市社会学、宗教社会学、教育社会学、スポーツ社会学など、テーマの自由度は高い。その一方、社会全体を意味付けるグランドセオリー(一般理論)を志す学者もいる。

 

社会学とは|大学・専門学校のマイナビ進学

 

ふーん。うーむ。ところで、ねえ、「一定の法則性を見出して、社会の仕組みや働きを解明した」って、研究した人以外誰が証明するの? それで、その解明したあと、どうするの? まさか「解明した」って「言うだけ」じゃないでしょう!?

 

高校生が大学の学部を選択する際には、さまざまな情報誌を活用して説明しました。それでも「『社会学』って何すんの?」と質問されて、困ったことがあります。

 

記事によると、一社会学者が使用した「劣化」という言葉に対して、指原莉乃さんがこのように発言したそうです。

 

劣化ってモノに対する言葉のような感じがしますよね

 

私はこう思っているということを短くわかりやすく主張しているので、受け入れやすく、しかも相手に反論させません。正論だから。

 

人をモノのように表現しているのも人。ネットでは人に対してよく使われている言葉かもしれませんが、その使われ方に、さもしさを感じませんか。指原さんの言葉は、何気ないかもしれませんが、メディアを通じて発信されることはやはり影響力があって、世間の反響があるわけです。「劣化」という言葉一つですが、例えばその言葉の使い方について自分はどう考えるのかというきっかけになったわけです。

 

社会からはズレない、まっとうな発言は、騒動にはならないのです。他人事ではなく、きつく肝に銘じたいと思った話題でした。

  

 

 

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