ドラマ「下町ロケット」はやっぱり面白かった。第2話。
日曜日にタイムリーに観ることができず、ようやく今日録画を観ました。逆訴訟はどうなるの、バルブシステムの特許はどうなるの・・・
観終わって、一番心に残ったのは、阿部寛さんが演じる佃航平の証人尋問での言葉です。白目が赤く充血しているのではなく、うまく表現できませんが、目の下瞼の上が赤く縁どられた形相で、技術者の思いを吐き出すシーンは、阿部寛さんが役を演じているとはわかっていても、佃航平の言葉としての熱い思いが、力強さとプライドとともに伝わり、心に響きました。
池畑慎之介さん演じるナカシマ工業側、中川弁護士が、7年前佃航平がエンジン開発に関与したロケット打ち上げの失敗を持ち出し、佃製作所に優れた特許を得る力があるのかと投げかけた言葉対して、
でもね、あの失敗があるから、今がある。どんなに素晴らしい発明にもたった1つの成功の裏に、何百、何千という失敗がある。その積み上げられた失敗を技術者たちの報われなかった努力をばかにすることは許さない
「失敗は失敗でしょう」と中川弁護士から、技術者としての能力の低さを正当化していると言われた、そのあとの言葉は、
技術者はみんな自分の無力さを知っているよ。毎日壁にぶつかってばかりだからな。だからこそ必死。腕を磨いて徹夜で開発に没頭して、次こそはってものづくりに没頭してるんだ。何でかわかるか、面白いんだよ。昨日できなかったことが今日できるようになる。今日わからなかったことが明日わかるようになる。それを自分の技術でやれたら、最高だ。
みんな佃航平の言葉に打たれた・・・田端裁判官(田端裁判官は大企業の擁護派と思われていた)が、佃製作所の技術開発に対する考えが本物であることを見抜きます。真実に見極めようとする田端裁判官は佃航平にもっと話を続けるように促します。
例えこの裁判に負けたとしても、ナカシマに特許を奪われたとしても、ヘでもありません。培ってきた技術力は決して奪えない。正義は我にありだ。
佃製作所は和解金56億円を勝ち取る結果になりました。田端裁判官は公正な判断をする人物でした。それを見抜いた神谷弁護士と技術開発に対して純粋な心を持つ佃航平の勝利でした。プロ魂が集まった第2話です。
第2話には、他にも気の利いたことばや面白いと思ったことばがありました。
・ナカシマ工業から特許侵害で訴えられた佃製作所が、一発逆転となる逆訴訟を提案したときの神谷弁護士の言葉「完膚なきまでに叩き潰す」。カッコイイ!最近見聞きしない言葉です。知的財産に関する訴訟で、8割の勝率、残り2割が勝ちに近い和解に持っていく敏腕弁護士はその力を遺憾なく発揮し、佃製作所はピンチを脱することになります。
・佃製作所の仕事場に掲げられていた佃製作所のモットーは、「技術・誠実・世界品質。」佃航平そのものです。佃製作所のロゴも注目です。ロケット!? ですよね。ロゴについては、もう忘れかけていましたが、東京オリンピックでざわざわしましたね。佃製作所のロゴはシンプルで言葉によるああだこうだとういう説明はいりません。しかし、佃製作所にかかわる人々の、理念や誇りが表されているように思います。デザインも丸みを帯びて何ともかわいい!
佃製作所 日本の技術を支えるイケメン日誌!|日曜劇場『下町ロケット』
身に着ける人が愛着を持つロゴ・・・ロゴは意外に小さい頃から個人に身近なものかもしれません。日本のほとんどの学校には校章があります。帽子や胸章、卒業アルバムの表紙につきものです。そのデザインに思いや願いが込められているはずですが、案外無頓着になっているかもしれません。過ごしてきた学校の校章を全部思い出すのは難しいかもしれません。愛着の度合いでしょうか。
・帝国重工が佃製作所を突然訪問する場面で、その理由に思いめぐらした安田顕さん演じる技術開発部長山崎光彦の言葉は、「社長のロケット打ち上げの失敗談を聞きにきたとか…失敗を失敗として失敗しないように」みんなの笑いを誘っていましたね。社長の手痛い過去を知りつつ、そこに触れる、中小企業の人間臭い集団の在り方が描かれた1シーンです。帝国重工の大企業の機械的な人間関係と思わず対比してしまいます。
・社長室にお茶を出しに行った仁科美咲(名札にそう書いてありました)が吉川晃司さんが演じる帝国重工宇宙航空部部長財前道生の「二十億で売ってください」という言葉を聞いたあとの台詞は「二十億・・・二十億・・・ロケット・・・ロケット・・・」。驚きのあまり放心状態でうわごとのようになっていました。経営難に陥っている佃製作所に舞い込んだ「二十億」の話。死蔵特許の価値は果たして二十億円で収まるのでしょうか。
・「正面突破」これは、神谷弁護士の事務所に掲げられていた額の言葉です。これが神谷弁護士のモットーなのだとわかります。正々堂々と、ゆるぎない正義を持って突破すること、肝に銘じたい言葉です。
第1話から第2話、そして第3話も「特許」がキーとなってストーリーが展開します。私は日常生活では、全く「特許」に関して接点がないので、このドラマにおける「特許」がどのような意味を持つのか、少し詳しく知りたいと思っていました。こんな記事に目がとまりました。
弁理士の立場から、 小説をベースに解説されています。帝国重工との成り行きが少しネタバレになってしまいますが、佃製作所の特許がそれぞれの企業にどのようにかかわっているのか、わかりやすくなりました。今回のドラマをもっと楽しむことができそうです。
第3話。佃航平は中小企業の意地をどう見せてくれるのでしょうか。帝国重工との特許問題、特許売却に応じるか、使用契約に応じるか・・神谷弁護士にどちらでもないと言いきった航平。帝国重工は、手段を選ばず、佃の弱みを握って、佃製作所に襲い掛かる模様・・・。
夢とプライドの問題なんだ
航平はどうする!? (土屋太鳳さん演じる航平の娘利菜の「1億円貸してください」も気になります)
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