北村薫著 絵おーなり由子「月の砂漠をさばさばと」を読んでみました。
又吉直樹さんがメディアで紹介した本は、どこの書店でも、軒並み店頭在庫がなくなってきているようです。「NEWS ZERO」やそれ以前から、お薦めとして名前のあがっていた「月の砂漠をさばさばと」も入手が難しくなっていました。又吉さんの「火花」は、先週初めにはもう店頭にはありませんでした。又吉さんが面白いと紹介していた本はすべて品薄気味です。又吉効果は波及しています。
「月の砂漠をさばさばと」、アマゾンでの注文は「黒冷水」と同じように、10日から12日かかります。あかん!私は、今すぐ読みたいのだ!さあ、また、電話電話電話・・・。エリアの書店5つ目でまたもや手に入れることができました。もう奇跡に近いわ。今回は、大手書店ではなく、エリアで展開している書店さんです。
「月の砂漠をさばさばと」という題名から、自然に「月の~さばくを~はるばると~」が思い浮かびますね。
月の砂漠 - Tsuki no Sabaku - YouTube
・・・なんだかもの悲しいですね。泣けてきそうです。誰でも知っている歌だけど、そうそう口ずさむ曲ではないような気がいたします。
下記サイトに、作詞をした加藤まさをさんについてや砂漠ではなく「沙漠」が本当だいうエピソードが語られていました。大正12年に発表されたこの歌は、千葉県の御宿海岸を歌ったものであることや「病気(肺結核)から逃避したい気持ち」や「許されない恋」が背景にあったことも記述されています。童謡謎解き 月の沙漠 « 合田道人 童謡の謎 -music office goda official site-
この歌の一部が題名の、北村薫さんの「月の砂漠をさばさばと」は、おーなり由子さんの絵がとても魅力的で、章ごとのタイトルの下にも、ちっちゃなイラストが添えてあります。この文庫本をプレゼントするという又吉さんのセンスに脱帽です。
お母さんとのことばのやり取りで、さきちゃんの日常はとても豊かです。子どもらしい聞き間違いは、よくあることです。さきちゃんもそれは大得意です。でも、さきちゃんは、もちろん聞き間違いだなんて知らないので、そのまま受け止めたあと、ことばを理解しようとして、あれこれ思いを巡らします。その結果、聞き間違ったことばは、意味を与えられ、輝き出します。思わず、ぷって吹き出す場面の連続です。
私は「こわい話」にはまりました。
ーー4月4日の4時44分に女の人を殺した男が、次の年の同じ時に・・・
「さそりの井戸」も好きです。
枝豆を切った夜には、帽子をかぶった変なおじさんが・・・
おちが…最高!
「ダオベロマン 」の「ほっちゃん先生」がとびっきり明るくっていい!
何を書いてもいいぞー
あっ、「月の砂漠をさばさばと」はねっ・・・
そうです。そういうことです。「はるばる」が「さばさば」にかわるのですから、「さば」が関係いたします。
とにかくすぐ読みたくって、本屋さんに併設されたcafeであっという間に読み切ってしまいました。少し弱気になっている、ちょっと孤独を感じている、心がささくれている、そんな誰かに、優しく微笑むことを取り戻すためにそっとプレゼントしたい 、そんな本でした。