錦秋の候
永観堂 ライトアップ
2013年11月17日(日)の京都の紅葉
・来週あたりが紅葉全開だと思いますが、緑と黄色と赤と、この時期の紅葉も美しく、
多くの人がそれぞれの名所に集まっていました。
このたびは 幣(ぬさ)もとりあへず 手向山(たむけやま)
もみぢの錦 神のまにまに
・作者は学問の神様、菅原道真です。百人一首で親しまれている歌で、実は紅葉の美しさを幣(=神に祈る時にささげた麻・木綿・紙。旅では細かく切ったものを袋に入れて持ち歩き、神前でまいた)に、つまり自然美を人工的なものに見立てる、かなり知的な歌です。
・少しだけ文法を。「たび」が「旅」と「度」、「手向」が「手向山」と「手向け」掛詞ですね。「とりあへず」が「十分準備できない」の意と「さしあたり」の意。二句は字余り。
・この度の旅は、右大臣として、にわかな行幸のお供で、幣を用意する間もなくこの手向山にきました。幣のかわりに、散り乱れる錦織のような美しい紅葉を、神よ御心のままに(お受け取りくださいませ)
・今年は秋がなかったと感じていたので、探しに行きました。