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ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

駿台のあるセンター試験の問題集:解答する気をなくさせる例文のいやらしさ

言葉 国語  入試

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もうすぐセンター試験です。この時期には、センター試験にまつわる記事を書きたくなります。そんな中でこの話題。駿台の問題集の例文があまりに下品です。

 

大学への進学希望者の中には、すでにAO入試や推薦入試で進路先が確定している人も多く、センター試験は受けないという人もいることでしょう。でも、どうしても国公立大学に進学したい受験生にとって、現センター試験は大きな影響を与えます。試験の出来具合によって出願先が第一希望通りになるのか、やや変更を迫るのか、希望が強ければ強いほど、ボーダーをクリアして、2次試験へと進みたいところです。

 

学校によってセンター対策への取り組みはまちまちですが、センター対策の問題集で演習を繰り返し、本番に備えます。その際、センター演習の問題集選びは慎重に行わなければなりません。

 

おびただしい数の問題集があります。センター試験の問題集を選んでいた時の経験から選択する際のポイントは大雑把にいうと、できるだけ最近のセンター試験の傾向にマッチしているものであることにつきます。

 

もちろん、過去問演習は終わっているので、問題傾向を分析してその結果を照らし合わせます。簡単に少しだけ紹介すると、昨年、一昨年の直近に出題された内容とは重複せず、過去に出題されたけれどもこのごろは出題されていないものやこれまでに全く出題されていないものが掲載されているかどうかを吟味します。

 

教師(国語)としても個人としても、センター試験の攻略を考えることが大好きでした。大問1の現代文(論説文)対策として、1年前(今年ならば2014年)の夏までに出された新書は片っ端から本屋さんなどでちら読みします。著者の有名無名はあまり関係ありません。(マスコミで話題になった、売り上げが多いといった新書は私立の入試ではやや出題されやすい傾向にあります)大切なのは、分野を絞らないということです。受験する年の問題は、昨年出題された分野とは、違う分野から出題されることが多いということと、そろそろこの分野が出題されるという順番があることと、時代の変化によって、新しい分野が取り入れられる可能性があることを考えていました。

 

大問1の問1は、漢字の問題です。問いの短文の中のカタカナと同じものを、あとの選択肢の中から選びます。言葉は悪いですが、同音異義語を引っ掛けとして出題するので、問いの例文は大切です。その文脈に合う漢字に変換させることが正しい答えを選択することへの1歩です。

 

今回、話題になっているのは、大問1の問1の漢字と大問2の小説に特化した駿台の問題集です。

 

駿台の問題集の中で、センター試験直前のチャレンジとして「青パック」はある一定の受験生に需要があります。かなり難しいので、模試や他の問題集で高得点をたたき出している受験生が自信を無くしたりすることもあります。また、気をひきしめる効果もあります。「青パック」の国語の問題はへんてこな印象でしたが、他の教科(英語・数学)の難易度がかなり高い正統派の問題だったので、難易度の高い理系に使っていました。

 

実践問題集(青本)は、はっきり言って、問題の差し替えも少なく、私の期待に応えてはくれませんでした。

 

全体を通した対策よりも、部分部分の弱点に目をむける問題集も多種多様です。この類の問題集は受験生個人で購入する場合が多いと思います。本屋さんで、きっと他社と比べながらぺらぺらめくって選択しているはず・・・でも、すぐに対策したい、本屋さんが遠い、品ぞろえが薄いなどの理由で、ネットで購入しているかもしれません。じっくりと問題を見比べることができず、問題を解き始めて、唖然としたと思います。定評のある「駿台」の人気講師が作った問題集だから、信頼するのも無理からぬことです。

 

問題集の短文がこれです。

きみのエキスをチュウシュツして飲み干したい。

胸のデカさに俺はキョソを失った。

スウコウな理念とか、うさんくせ。

一定スイジュン以上の女の子しかここには入れないんだよ。

 

下ネタだらけ!駿台のセンター試験用教材が下品だと話題に「胸のデカさに俺は」「きみのエキスを抽出」 - NAVER まとめ

 

作った人の俺様感と勘違い感を見た思いで、解答するこちらがかえって恥ずかしい。

 

予備校での右から左へ流れるかもしれない教室内の話だとしても、私が講義を聴いていたら嫌だ・・・。例文を簡単に読み過ごすことは受験生にはできません。例文に合う漢字に変換させなくてはならないからです。慎重に読むこの例文、今の若い人たちを見くびっていませんか。

 

教え子を何人も東大に導いたとして評判の高い講師だと聞いています。でも、この例文にプロとしての技を全く感じません。解答しながら気分を害される問題。解けないことよりも二度と問題を解きたくなくなる問題。暴力さえ感じます。

 

「花のエキスを出して作ったせっけんが特産品だ。」「上司の突然の訃報に私は措を失った。」「その絵には高な祈りが表現されていた。」「チェーン店はどの店舗でもサービスの水は同じである。」気分が悪いので例文を作りました。これから社会で使用する、日常の文脈に落とし込むことが問題作成のポイントです。高校生に難しいのは「挙措」です。高校生同士の会話では滅多に使用することはないでしょう。だからこそ、たとえ入試問題であっても、社会の中で使用されている一般例を示すことが必要です。「挙措を失う」でセットです。

 

胸のデカさに・・・なんて、よく問題集の例文にできたなと著者だけではなく、出版元にも男性視点のいやらしさを感じます。

 

著者は例文について

変化の激しい現代を生きていくため、より新しい言葉づかい、より生徒さんに覚えやすい表現にしようとしたためです

 それがこれなの!?

 

刊行前の編集会議には女性スタッフも参加していたという。

 

なんで平気なの!?

 

駿台側とこの問題集に対してコメントを寄せている人との温度差も気になります。受験用テキスト、問題集にも一定水準の良識があってほしいものです。(この記事を書いている途中で、販売中止のニュースが・・・)

 

とっくに離れた業界(高校の国語の先生)なのに、センター試験の頃になると、血が騒ぎます。日本の1月の風物詩ともなったセンター試験は形を変えます。受験生のみなさん、体調に気を付けて悔いのないように力が発揮できますように。

 

(追記:話題の駿台の問題集は高校で配られたもので、その学校の女子高生が気持ち悪いということを親に訴えたことから、今回の顛末となったようです。学校の先生は他の問題集と比較して、これが自校の生徒に最も適した問題集と思ったのでしょうか。どんなものを選ぶのかは個人の自由です。実際、これぐらいインパクトがあった方が覚えやすいということをTVのインタビューで答えていた駿台生もいました。でも、性に関する話題は興味関心も含め、個人差が大きく、女子高生にはショックだったと推測します。女性へのステレオタイプ的な表現も作成者の根本であるように思います。「センター試験」と銘打ったものならば、出題されてきた文章に沿った内容で作成されていると思ってしまいます。駿台文庫の漢字問題集には何度も使用してきたものがあります。同じ出版元とは思えません。何だか裏切られた気分です。)

 

必修漢字1200選 (駿台受験叢書)

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基礎徹底必修漢字800選 (駿台レクチャー叢書)

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