ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

人物本位の入試

朝日新聞:2013年(平成25年)11月1日(金)再生会議 大学、面接など重視

■新試験「達成度テスト」(仮称)の概要

「発展」テスト

◆大学入学の「基礎資格試験」の性格をもたせる。成績は1点刻みではなく何段階かのランクで表示

大学入試センター試験をベースに、複数回化や、思考力などをみる総合型の試験も検討。大学側がTOEFLなどを代用して活用することも推奨

◆各大学は、面接、論文、高校時代の活動内容(部活動やボランティアなど)と合わせて入学者を選抜

「基礎」テスト

◆高校教育の一環として、生徒に学習目標をもたせ、達成度をみて指導改善につなげるために実施

◆出題は高1レベルを想定。希望制で、在学中に複数回受けられる仕組み検討

◆高校の卒業資格にはしないが、AO、推薦入試で大学が出願者の学力を把握する資料に活用

 ・「今更、人物本位ですか?」と思わず言いたくなる見出しです。「ゆとり」教育を取り入れたときに改善していたならともかく、「ゆとり」が終わってから、これです。2008年、選ばなければ、大学全入時代になったなあと複雑な思いでした。その頃よく言われていたのが大学の「二極化」。偏差値の高い大学、受験生の集まる大学とその反対の大学の差がはっきり。

 

・私大もセンター試験の入試によるものが多くなり、中にはセンターの得点のみで合格を出す大学もあります。国公立大学だけではなく、私立大学にとってもセンター試験は受験生確保のための有効な入試制度です。センター試験は何度かマイナーチェンジをしながら、1月の日本の風物詩となりました。(ちなみに『広辞苑』にも載っています)

 

国際化、そして高齢化が進み、日本は少子化の中でそれを支えていかねばならない。一人一人の人材力を高めることが必要で、そのための改革案と考えている

 

 ・朝日新聞2面の下村文科相のことばです。今は全入から4割の私大が定員割れです。だから、受験生が「大学入試は楽になったなあ」って、ほんとにそう思っているとお思いですか?「楽になった」と感じるのは、かつての受験生です。

 

・新聞には「知識偏重の『一発勝負』から、課外活動などを含めた『人物本位』の選抜へ。」と書いてありましたが、確かに、1年に一回のセンター試験の「一発勝負」で、その得点(「知識偏重」)によって、国公立の志望校を変更しなくてはならなくなることを言っているのでしょう。そう考えていたのだったら、前期と同時に後期も出願するしくみや、自分の得点が正確にわからないこと(自己採点でほぼわかりますが…マークミスがなければね)、一次の傾斜配点や二次試験が大学によってまちまちであること、前期の発表から後期までの期間が短いこと等々、改善点はあってでしょうに。

 

・再生実行会議の「人物本位」の入試っていかがなものでしょう。

 

・生徒は、受験するまで、多様化した大学に対応するため、かなりの「受験のしかた学習」(志望校、受験校を決めるまで、選択肢と情報量が多すぎて、それを絞るまでは落ち着いて受験勉強さえままならない状況があります。だから本質的な「進路学習」ではないと思っています、個人的に)をします。ーー大学が多いこと、学部の名前がへんてこりんなこと、大学内で違う学部であるのに、あまりにもフレキシブルでどちらでもしたいことができますよ的なカリキュラム、なぜかどこの大学でもよい就職率、その他あの手この手のサービスメニュー…

 

・高校は「共通一次試験」が始まった時よりも、大変になるでしょう。ペーパーテスト対策は残る上に、面接の対策、評価に耐えうる課外活動、高校が今の大学の就活の抱える問題点と同じことにならなければいいけれど。大学入試改革は必要だと思っていた派ですが、新制度のほうがしばりがきつい。真の目的は何?と思わず問いたくなります。

 

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