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ちょっとナオ帳

なんだかまた書きたくなりました。それだけです。

若者の能力を引き出せ 2

Eテレ「知恵泉」

・先週に引き続いて、いかにして夏目漱石が、若者の能力を見抜き、その能力を開花させたかがテーマでした。今日のキーワードは「見抜く力」。

ーー理想を追い求める完璧主義者タイプは「絶えず挑戦させ続けろ」

ーープライドの高い天才タイプは「褒める」「ハードルを課す」「成功後の姿を見せる」

前者は児童文学の父といわれる鈴木三重吉、後者が芥川龍之介です。

 

芥川龍之介、この方も国語の教科書でお馴染み。小学生も読むことができる作品を書いていらっしゃいます。短編小説で、終わったあと、「果たしてこれでよかったの?」と読者につい後を引かせる作品が多いと思いませんか?

 

羅生門・鼻 (新潮文庫)

羅生門・鼻 (新潮文庫)

 

 

・高校一年で授業で最初に読む小説は羅生門でしょうか

下人の行方は、だれも知らない」

最高の最後の一文。隙のない完結文。なんとも意味深。しかし、迷わず、下人はもう下人ではなくなったのだと感じさせる。彼は老婆から着物を剥ぎ取り、はしごを夜の底へ駆け降りた。夜に底はあるのか?だたの夜じゃない。「黒洞々《こくとうとう》たる夜」だ。これから奥深く底の知れない洞穴のような暗さがどこまでも広がっている夜の世界で生きていく下人。たった数時間前、物語は「ある日の暮れ方」から始まった。始めの下人と終わりの下人は違う。悪を悪だと思う、理屈なき若者の正義感はすっかり消え、必要悪を振りかざして底なしに落ちていく。もとより、暇をだされた下人の行方など、だれも知らなかったのだ…

 

・ここで大きな役割を果たすのが老婆ですね。ミスリードが自分をも窮地に追い込んでいきます。青年が大人になる手前に、最初に出会う大人って、ホント大切ですね。

 

・番組でも紹介されていましたが、この羅生門の世間の評価は高くなかったと言われています。プライドが高く、才能にあふれた龍之介はさぞ傷ついたと思われます。しかし、翌年発表した『鼻』が師である漱石に絶賛されたことで、彼はその後遺憾なく力を発揮していくのです。さらに漱石は手紙に、「どうぞ偉くなってください。ただ牛のようにずうずうしく進んでいけばよいのです」とアドバイス。

・番組の最後に、作家の島田さんが、「師匠と弟子のサークルーーこれが学校の原点」と語っておられたことも私には響きました。